シャント治療に関して
本院では、シャント治療の選択肢の一つとしてシャントPTA治療を実施しております。
PTAとはPercutaneous Transluminal Angioplastyの略で経皮的血管形成術、つまり大きな切開を伴うような外科的処置をすることなく血管内の治療を行うことを示します。一般的には、風船のような構造をした治療器具であるバルーンカテーテルを血管内へ挿入し、閉塞・狭窄した病変箇所を拡張することにより、バルーンの圧力で血管内を内側から広げる手技を行います。手術の際には超音波エコーやX線透視装置を用いて、治療箇所を確認しながら行います。
PTA治療のメリット
シャントPTA治療には外科的な処置と比較して、様々なメリットがあります。
- 安全性が高い
皮膚を大きく切開することなく治療できる為、身体的な負担が少なく術後早期段階にて透析の実施が可能。
- 治療時間が短い
一般的に30分から60分程度で治療を行うことができる為、日帰りでの対応等も可能。
- 効果的な治療が可能
血流の確保をしっかり行うことができる上に、同じ血管を何度も治療可能。
シャントPTA治療を行わない場合、シャントそのものを再建するために別の部位で新たなシャントを作る手術や、透析用の長期留置用カテーテルを首や足の付け根の静脈から挿入し、留置する必要があります。
PTAに与えられた課題
シャントPTA治療にも課題となる問題があります。
一度狭窄をしてしまった血管はシャントPTA治療を実施しても再度狭窄してしまう可能性が高くなってしまうこと、血管の石灰化が強い場合には拡張をしきれず、血流の改善効果があまり得られないこと、拡張を行ってもすぐにもとに戻ってしまうこと(リコイル)、拡張時に血管が損傷してしまうことなど、シャントPTA治療においても治療困難な症例があります。
ステントグラフト内挿術という新しい選択肢(バイアバーンの登場)
本院では、2019年に人工血管内シャント吻合部狭窄治療において新たに承認を得たステントグラフト内挿術の実施が可能です。
ステントグラフト内挿術は、人工血管内シャントの静脈側吻合部における狭窄又は閉塞の治療に用いることのできる日本初のステントグラフト治療であり、従来のシャントPTA治療に新たな選択肢として加わりました。
薬剤コーティングバルーンへの期待(DCBの登場)
当院では2020年にシャント治療領域での薬事承認を取得した薬剤コーティングバルーン(DCB)を用いた治療も実施しております。薬剤コーティングバルーンはその名の通り血管内再狭窄を抑制する為の薬剤が添付された治療用バルーンとなっており、血管内の拡張と同時に血管壁に薬剤を浸透させることで従来のシャントPTA治療と薬による病変の再発抑制効果を期待することができます。





